お引越しの時など古い家電製品は処分して買い替えるのが一般的ですが、市区町村などの自治体では、冷蔵庫などのリサイクル家電は収集してくれません。
目次
冷蔵庫の一般的な処分方法
では、どう処分すればいいかというと
- 購入店にリサイクル料を払い処分してもらう
- 新しい冷蔵庫を購入する販売店にリサイクル料を払い処分してもらう
- 新しくて故障していなければ、リサイクル店などに買取してもらう
- 指定取引場所に自分で持ち込む(事前に郵便局でリサイクル料を払込む)
というのが一般的です。
しかし、買い替えをせず、昔購入したので販売店を忘れてしまった(または販売店がなくなってしまった)方や、リサイクル店から中古で購入した方などは困ってしまいます。
「指定場所に自分で持ち込む」方法が残されてはいますが、重い冷蔵庫を階段のある住宅(団地・マンション・アパート?)から搬出して、トラックをレンタルして運搬するのは大変です。手間も費用もかかります。
親の遺品整理などは、ほとんどこのケースに当てはまりますね。
古い冷蔵庫は処分できないのか
では、どうすればいいのかというと
- 運搬を親戚や友達に手伝ってもらい指定取引場所に持込む(要トラック)
- 運搬だけ便利屋(トラック所持)などに依頼し指定取引場所に持込む
- 不用品回収業者に依頼する
・・となります。
不用品回収業者に依頼すると、費用はかかりますが室内からの搬出から処分まですべて一括でやってくれますので、手間がかからない分便利ではあります。
不用品回収を依頼する注意点
まるで不用品回収業者を勧めているようですが(笑)彼等を使う際には注意点がいくつかあります。
- ボッタクリ業者に気をつける
- 不法投棄業者に気をつける
- 無許可業者であることを認識する
これらには注意を払う必要があります。ひとつひとつみていきますと・・
ボッタクリ業者に注意
まず「ボッタクリ業者」に当たらないようにするには、複数の業者から相見積をとることで、かなり解消できます。インターネットのトップページにあるからといって安易に頼むと、高確率でボッタクられます。
また、回収する前に値段を提示してもらい、追加で回収してもらう物が出ない限り値段に変更がないことも良い業者の最低条件です。
不法投棄は重罪
つぎに不法投棄業者についてですが、現実的にはあまり心配する必要がないでしょう。というのも不法投棄の罰則が重すぎるくらい重いからです。
不法投棄の罰則:個人で1000万円以下の罰金または5年以下の懲役刑
またはその両方
法人で3億円以下の罰金
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第25条から34条)より
リスクを犯すには割に合わなすぎるんですね。ただし、業者があまりにガラが悪かったり、言葉の通じない外国人だったりした場合はこの限りではありません。
罰則が重くても不法投棄する不心得者は存在することを肝に命じましょう。悪質だった場合、回収を依頼した方へも捜査の手が及ぶかもしれません。
不用品回収は無許可営業?
最後に「無許可営業の業者」についてですが、必要な許可とは何かご存知でしょうか。これは「一般廃棄物収集運搬」と呼ばれる許可です。そして殘念なことに「不用品回収」でこれを持っている業者は、まずいません。
つまり、ほとんどが無許可営業をしている業者だということですね。
これには様々な理由があるのですが、大きなものの一つとして、許可を取りたくても、管轄する市区町村の自治体がとらせてくれない、というのがあります。
基本的に「一般廃棄物収集運搬」の許可は、市から依頼されたゴミ収集業者に発行されるものであり、仮に許可が取れたとしてもゴミ収集の仕事をこなさなければならないので、「不用品回収」どころではなくなってしまうんですね。
他にも「ゴミの世界は様々な利権が絡み合っているので」色々と大人の理由があるのかもしれません(笑)
あとは無許可営業に対する法律的な罰則の適用に色々と穴がある、というのも理由の一つとして挙げられます。同じ一般廃棄物でも品目によっては回収して良い物があったりするわけですね。けっこうグレーなんです。
さいごに、現行のシステムでは「不用品回収業者」がまったくいなくなってしまうと、都市部のゴミ処理がうまく回らなくなる・・・というのも無許可業者がなくならない理由ではないでしょうか。
当局は絶対認めないでしょうけど(笑)
不用品回収業者はいないほうが良い?
現実的には「エレベーターのない団地5階に居住するお年寄り」が、冷蔵庫を処分する必要に迫られても、「重量物である冷蔵庫を団地の外に出す行政サービスはまともに機能しておらず」、市区町村では冷蔵庫などのリサイクル家電の処分をしてくれないのです。
これでは「不用品回収業者」を利用する方を責めることは出来ませんよね。また、良心的な費用で搬出から処分まで責任もって行う業者は多数存在します。
猛暑の中、エレベーターのない団地やマンションから何往復もかけて重量物を運びだし、倉庫に持ち帰った粗大ゴミを丁寧に分解・分別してそれぞれの中間処理場などに持ち込み処分する・・
まっとうに(?)やってる業者も多いのに、ボッタクリや不法投棄をする一部の不心得者のせいで「不用品回収業者」全部に悪いイメージがついて回るのが現状なのではないでしょうか。
これで締め付けを厳しくして不用品回収する者がいなくなったら、一番困るのは冷蔵庫などを処分できない一般市民です。
まとめ
国や市区町村などの自治体は、無許可営業の「不用品回収業者」がゴミ収集の穴埋めをしている現状を認識し、まともな業者にはそれなりの新しい許可をつくってほしいものです。
それが無理だというならば、昭和の頃のように冷蔵庫でも何でも「ゴミの日」に出せるようにしてほしいし、エレベーターなしの高僧住宅からの運び出しもすべてやってもらいたいですね。
これから少子高齢化がますます進むでしょうから、解決しておかなければいけない深刻な問題なのではないでしょうか。
あなたがもし「冷蔵庫の処分」で困った経験がおありなら、この記事を「不用品回収の問題」を真剣に考えるキッカケとしてくだされば幸いです。