FXや相場の世界における聖杯探しの旅とは、アーサー王伝説の円卓の騎士達が聖杯を求めて大活躍する冒険譚・・・ではもちろんありません(笑)
そもそも聖杯とは、キリストが十字架にかけられた時、その血を満たした杯(さかずき)で、これで水を飲めば不老不死になるといわれる伝説のアイテムです。
このことから、実際には存在しないのに、それを手に入れれば不可能が可能になるものの比喩的表現として使われる言葉になってしまいました。
もうおわかりですね(笑) FXや相場における聖杯とは、エントリーすれば必ず利益をだせるような、夢のようなトレード手法のことを指します。 ・・・残念ながらそんなものは存在しません。どんなに優位性が高い手法でも、相場に100%はありえない、と認識するのがプロトレーダーとしての第1歩だといえるでしょう。
聖杯探しを続けた結果・・・
筆者はこの聖杯探しの旅が大好きでした。チャートの過去検証をしている時などに、アイデアがひらめくのです。「このインジケーターの組合せで、このタイミングでエントリーすれば」不可能を可能にするトレードメソッドになるのではないかと(笑)
アイデアがひらめくたびに実戦トレードで検証し、聖杯などないと挫折する。しばらくすると、またひらめいて挫折する・・・楽しいんです。
筆者がなぜ20年近く相場にいながら結果をだせなかったのか、それはこの「聖杯探しの旅」をし続けたところが大きいのです。トレーダーである以上、チャートを分析し検証するのは必須の作業ではあるのですが、それが目的になってはいけません。 目的はあくまで収益をあげることです。そこに全力でフォーカスしなければなりません。
筆者の場合、長年聖杯探しの旅を続けた結果、とても精度が高く、エントリーすれば高確率で利益を伸ばせる、優位性の高い手法を1つだけ編み出すことができました。
しかし、精度の高いトレード手法というものは、めったにチャンスがきません。 当り前ですね。状況とタイミングを厳選しているわけですから・・・
これではぜんぜん収益が安定しません。 ありあまる資産があり、たまに投資するだけで生活に困らないレヴェルの人であれば別なのでしょうけど。
聖杯から得られた教訓
筆者が多くの時間を無駄?にした聖杯探しの旅、ここから得られる学びは何でしょうか。
答えを先に申し上げます。 聖杯を探すかのようにトレード手法の精度を追及しすぎるのは、収益をあげる上では意味がないのです。
コンスタントに利益をだすトレーダーというのは、そこまでトレード手法に精度を求めず、ある程度優位性を満たしたトレード手法を複数(5、6個)でポートフォリオを組み、時間を無駄にせずに収益を安定させているのです。
筆者はここを感覚として体得するのにかなり時間を無駄にしました。
あなたが初心者なら、トレーダーとして精進していくうちに必ず、この聖杯探しの旅をしたくなります。 その時にはぜひこの記事を思い出していただきたいものです。