東京オリンピック2020から新たに「フリークライミング」が正式種目として追加されることになりました。「ボルダリング」と言ったほうが馴染み深いかもしれませんね。
ボルダリングとは壁の突起物を手がかり(足がかり?)によじ登っていく競技で、昨今では女性や子供にもできるスポーツとして大人気です。
また、我が日本は山岳地帯が多い環境の上、東洋人特有の体重の軽さや指・腕の強さと相まって世界でもトップクラスの実力を誇ります。世界大会で何度も金メダルを取ってるんですよ~。
そんな「ボルダリングのトップアスリート」を多数抱える我が日本は、今回の東京オリンピックでメダル・メダル・メダルの嵐!(笑) 「金メダル」だって狙える力を充分持っています。
そんなスゴイ日本人クライマー達をここでご紹介しますので、ぜひ国民みんなで応援しようではありませんか!
目次
オリンピックでの日程・場所
オリンピックでフリークライミングは下記の日程・場所で行われます。可能な方はぜひナマで観戦・応援したいですね。東京オリンピックでメダル獲得の瞬間を目撃するチャンスかもしれません。「ガンバ!」
日程:8/4~8/7
会場:青海アーバンスポーツパーク
住所:東京都江東区青海1丁目1
3つの基本種目は把握しよう
オリンピック日本代表選手達をご紹介する前に「フリークライミング競技」の基本的なルールを簡単におさえておきましょう。これが分かれば選手の得意な種目についても理解でき、より楽しめるはずです。
東京オリンピックの「フリークライミング」では「リード」「ボルダリング」「スピード」の3つの種目があり、それぞれのポイントを足した複合得点で順位が競われます。では、それぞれの種目の特色をみていきましょう。
「リード」
リードクライミングとは、高さ15mの壁をどこまで登れるかを競う種目です。完登・同じ高さの選手が複数いた場合はタイムの速さで順位が決まります。
かなりの高さを登りますので、ロープを壁の金具に引っ掛け安全を確保しながら登ります。この金具をクイックドローといい、最上部のクイックドローにロープを引っ掛けた時点で完登となります。
また、ロープを地上で保持する人をビレイヤーといい、安全確保はもちろん、クライマーと息を合わせてロープを送る役目を担うため、とても重要です。
登っている最中の選手は、他で登っている競争相手を見ることはできず、駆け引きはできません。オリンピックではこのオンサイト方式を取り入れ、自分のクライミングに集中できるようにしています。
日本人クライマーは国内に多くある山岳地帯の岩で練習しているせいか「リード」が得意です。世界大会で何度もメダルを取る実力者が揃っているので、東京オリンピックでは「金メダル」もでるかもしれません。
「ボルダリング」
ボルダリングとは、あらかじめ決められたルートを登る種目です。今回の東京オリンピックでは、それぞれ難易度の設定された4m程度の壁に、4分間でいくつ登れるかを競います。
最上部のホールドを両手で保持できた時点でその課題はクリヤーとなり、仮に途中で落下しても制限時間内なら再チャレンジが何度でも出来ます。こちらもオンサイト方式となり、プレイ中は他のプレイ選手を見ることはできません。
様々な課題の壁がありますが、東京オリンピックではどれもメッチャ高難度に設定されてるようです。逆傾斜やハングアップしてるようなものもあり、素人目には「こんなの人間が登れるのか?」というような壁もあります。
クライマーは自分の能力や登り方などを戦略的に組み立てる能力を求められ、競技中でも軌道修正できる柔軟性が勝敗を分けたりします。日本人選手は皆この能力が高く、オリンピックでもメダル奪取の期待が高まります。
「スピード」
スピードクライミングとは、文字通り登ったタイムを競う種目です。
オリンピックで登る壁の設定は、15m・95度の傾斜でルートも世界共通になっています。この壁が2つ用意されていて、2人の選手が同時に競争して登ります。短距離走に似てますが、フライングは一発アウトです。
安全確保のロープは上部から巻き上げるようになっていて、男女とも5~10秒以内のすごいスピードで登りますので、瞬き厳禁です(笑)
瞬発力と筋力が要求され、日本勢は残念ながら外国勢に押され気味です。他2つの種目が優勢なだけに、この種目をいかに攻略するかが「オリンピックの金メダル」に手が届くかを左右すると言っていいでしょう。
日本代表選手・男子
オリンピック代表に選ばれた3人とも、痩せマッチョのイケメン揃いですね~(笑)
そして、そのテクニックと身体能力には目を見張るものがあります。「ホントに人間か!?」ってレベルですね。
おのおの幼少からクライミングを始め、世界を股にかけて活躍してきた選手ばかりで、「怪我を乗り越えたり」「進学せずプロクライマー」の道を選んだりと、一人一人がドラマをもっています。
彼等がこの東京オリンピックでどんな活躍をするのか、そしてメダル奪取を成し遂げるのか、目が離せません。
楢崎 智亜(ならさき ともあ)
1996年6月22日誕生 身長169cm 58kg 栃木県出身 Team au所属
10歳からクライミングを始め、高校卒業後は進学せずプロクライマーの道を選びます。才能もスゴイですが、若さの割にメンタル面でもかなり吹っ切った人のようですね。
数々の世界大会で金メダル・銀メダルを奪取、2016年にはボルダリングの年間チャンピオンとなります。そして2019年では世界クライミング選手権で日本人初の金メダル・・ノリにノッてますね。
得意なボルダリングだけでなくスピードも好成績で、世界王者として金メダルに一番近いのがコノ人、日本のエースの戦いに活目ですよ!
藤井 快(ふじい こころ)
1992年11月30日誕生 身長175cm 体重65kg 静岡県出身 13歳からクライミングを始め、2016年、2017年のワールドカップで金メダル連覇など頼もしい存在ですね。
日本人クライマーとしては大柄で筋肉質、その身体能力を活かしたクライミングで難しい課題にも柔軟に対応します。
現在は クライミングジムB-PUNP 所属の社会人クライマーです。普段はトレーナーや講師をしながら腕を磨いているようです。ボルダリングが得意ですが、リードの成績も優秀でメダルの期待は充分ですね。
是永 敬一郎(これなが けいいちろう)
1996年2月16日に埼玉県で誕生、現在は日本体育大学の大学生で23歳です。身長160cm 体重:未公開 水瓶座、10歳からボルダリングを始めました。
「リード」が得意で、ジュニア時代から国内外の大会で何度も優勝していて、特に2017年ポーランドで行われた「ワールドゲームズ」ではリード種目で金メダルを取っています。
「競技種目でポイントを争うより、圧倒されるような岩場を登ってみたい」
是永選手の言葉ですが、生粋のクライマーであることを伺わせます。ただ、東京オリンピックではポイントを貪欲に取って、日本にメダルをもたらして欲しいですね(笑)
日本代表選手・女子
でました!日本ボルダリング美女軍団から選ばれた3人の代表選手です。女王の野口啓代選手を筆頭に世界屈指の実力クライマー達です。
このオリンピックで、彼女たちの「強さ」そして「美しさ」で一大旋風を起こすこと必至です。メダルを奪取するであろう、その戦いに活目し応援しようではありませんか!
野口 啓代(のぐち あきよ)
1989年5月30日誕生の30歳 身長165cm 体重49kg 茨城県出身 Team au所属
11歳でクライミングを始め、選手として活躍しだしてからは、出場する国内大会のほとんどで優勝しており、海外でもワールドカップの年間優勝を何度も経験する大ベテラン、まさに日本ボルダリング界の女王です。
2019年8月に行われた世界選手権では、東京オリンピックの選考に漏れたなら引退を考えていたそうですが、その完成度の高いスキルで見事に銀メダルを取って選考基準を満たしました。
難易度の高い課題で若手が次々に失敗するなか、その実力と経験値で粘り強くクリヤーするなど、メダルの期待は勿論ですが、他の日本選手を牽引できるカリスマ性の持ち主ですね。
野中 生萌(のなか みほう)
1997年 5月21日 誕生の22歳 身長:162cm 出身地:東京都 所属:TEAM au
クライミングを始めたのは9歳。 世界大会で何度も好成績を残しつつ実力をつけ、2016年では世界ランキング2位、2018年のクライミングワールドカップではナント!年間チャンピオンになっています。
クラシックバレエや器械体操の経験者で、しなやかな柔軟性とダイナミックなパワーを合わせ持ち、男性顔負けの筋肉はまさに女バーバリアン!(褒めてるんですw) 彼女のクライミングは見る者を圧倒!そして魅了します。
元々はリードが得意でしたが、ボルダリングでもアジア大会で金メダルを取る実力をもっています。野口 啓代女王の引退が危惧されていますが、その時には替わって日本クライミング女子を引っ張っていくであろうニューヒロインです。
戸田 萌希(とだ ほまれ)
1999年4月21日誕生の20歳 身長:157cm出身地:山梨県 所属:駿台甲府高校
ボルダリングを始めたのはなんと6歳。日本代表では最年少ですが、全日本選手権で1位になったり、アジアユースでボルダリングとリードで金メダルを取るなど、その実力は確かです。
↑の写真からは分かりづらいですが、現在の戸田選手はフィジカルトレーニングを集中して行う中で、女性としては筋肉質の均整の取れた体になっています。パワーをかなり強化したことを伺わせますね。
テクニック・パワーそして世界トップレベルともいわれる指の力で、日本にメダルをもたらしてくれるのはこの人かもしれません。
おまけ・今後も注目の選手
今回の東京オリンピックで選手として出場するかは現時点で不明ですが、要注目の美少女クライマーを2人ご紹介しておきます。
この競技の世界ではすでに超有名なのですが、これからの日本のボルダリングを、いや世界のフリークライミングを牽引するであろうこの2人の選手を、観戦初心者の方は知っておいたほうが良いでしょう。
かなり筆者の好みがはいってますが、この選手達の実力と美しさ(可愛さ)に異存のある人はいないはずです(笑)
白石阿島(しらいし あしま)
2001年4月3日にニューヨークで生まれた18歳、両親は日本人です。日本とアメリカのダブル国籍(重国籍)を持ち、6歳の時にボルダリング初体験をしたのはセントラルパークの大岩だとか、ニューヨーク育ちのクライマーです。
そのボルダリング向きな東洋人の身体能力と、アメリカ仕込のダイナミックなテクニックで圧倒的な強さを持ち、米国の大会を次々に席巻していきます。
アメリカでは 「スパイダーガール」や「ザ・ウォールダンサー」の異名を持ち、タイム誌では「2015年の最も影響力のあるティーン30人」に選ばれました。
現在ではボルダリング環境の良い日本に拠点を移して活動しています。
将来、必ずオリンピックのメダルを手にするであろう逸材ですが、日本代表として出るのかアメリカ代表として出るのかは現時点では決めていないようです。
前髪をパッツンと揃えた独特なヘアーがトレードマークで、身長154cmと小柄・可愛らしい顔とは裏腹にボルダリングで鍛え抜かれた筋肉質の体のギャップには驚かされます。
何より彼女のクライミングは、一度でも見たら忘れられないインパクトがあります。まだまだ若いので、これ以降の活躍も楽しみですね。
伊藤ふたば(いとうふたば)
2002年4月25日に岩手県盛岡市で生まれ、身長160cm 体重44kg そのスラリとした長い手足と美貌でアイドルかと見間違うルックスですが、彼女のクライミングはボルダリング界に衝撃を与えてきました。
2017年14歳の時にボルダリングジャパンカップを最年少で優勝した天才少女なのです。それ以降も国際大会で活躍し、アジアユース世代ではもはや敵無しの実力派クライマーで、さらにメキメキと成長しています。
現在は岩手・盛岡中央高の高校生で17歳。実家の岩手と東京のジムを新幹線で通いながら数々の世界大会もこなす忙しい日々・・学業とアスリートを両立させるのはとても大変でしょうね。
まだ学校に通いつつ、この世代の女性クライマーは自分の体の成長をも克服しなければいけないので、プロクライマーに比べると色々とハンデもあるのは容易に想像できます。
惜しくも今回の東京オリンピック選考には漏れてしまいましたが、その実力とルックス・存在感は、すでにボルダリング界に無くてはならない人となっています。なにしろまだ若い!
将来何度もオリンピックに登場するであろう、この「日本フリークライミング界の至宝」ともいうべき伊藤ふたば選手を、国民みんなで応援し大事に育てたいものです。「ガンバ!」